有識者の投資見通しまとめ

現代ビジネス記事の「大乱調相場」を生き残る9銘柄の振り返り

大川智宏氏による2024/3/19の記事日本株大混戦へ…!「円高×株安」の連鎖がはじまった今が買い!「大乱調相場」を生き残るプロが厳選した「珠玉の9銘柄」を一挙公開する!で紹介されていた銘柄を振り返ります。

前提として24年の上半期では唯一月間で日経平均が下げた3月の記事で今後乱調が予想され放置されてきた銘柄にも光が高確率で光が当たるとの読みから記事は構成され9銘柄が紹介されている形です。
東海染工(3577):822円
エステールホールディングス(7872):651円
三洋工業(5958):3235円
サンヨーホームズ(1420):732円
エストラスト(3280):692円
エックスネット(4762):1,237円
ツカモトコーポレーション(8025):1,263円
石井鐵工所(6362):2,805円
東洋精糖(2107):2,369円
※価格は4月2日終値

1~3か月後の値動きの状況

価格のチェック自体が4月2日時点と日経平均としても一回下げて戻った後また下げ始めのやや高値掴みの状態での値となっているので1か月後はほとんどの銘柄がさげてしまっていますが3か月後には9銘柄中、7銘柄は初期の価格よりも上回ることができています。

銘柄 初回 1か月後 2か月後 3か月後
東海染工 822 807 835 841
エステールホールディングス 651 645 649 654
三洋工業 3235 2880 3245 3265
サンヨーホームズ 732 729 735 742
エストラスト 692 747 717 733
エックスネット 1237 1536 1500 1487
ツカモトコーポレーション 1263 1,179 1183 1226
石井鐵工所 2805 2772 2794 2865
東洋精糖 2369 2165 1665 1698

最大の伸びではエックスネットの約2割増、最大の下げでは東洋精糖の約3割減です。その他は伸びたといっても1%未満から6%ほどなので紹介銘柄をすべて買った場合だとトントンといったところです。

そもそも光が当たるというのも何を指しているのか不明ですし、生き残るという表現も微減程度ならそれは生き残っていると表現しても差し支えないでしょう。これらの銘柄がどういう時間軸において見込みがあるかもわからないわけですが、この3か月間の時点では投資初心者にとっては参考にするほどの記事ではなかったのかもしれませんね。次回は半年後に相当する10月に再びチェックしてみたいと思います。

半年後の値動きの状況

まず初回と半年後の値動きの変化です。

銘柄 初回 半年後 比率
東海染工 822 693 84.31%
エステールホールディングス 651 624 95.85%
三洋工業 3235 3125 96.60%
サンヨーホームズ 732 734 100.27%
エストラスト 692 731 105.64%
エックスネット 1237 1485 120.05%
ツカモトコーポレーション 1263 1201 95.09%
石井鐵工所 2805 8320 296.61%
東洋精糖 2369 1430 60.36%

結果としてはそれぞれ同じ額を買い付けた場合なら17%ほどの利益が出た計算にはなります。特筆するのは石井鐵工所の暴騰があり、8月上旬にTOBによる公開買い付けがあったことが要因です。大川氏がTOBまで含めた予想をしていたかは不明ですが3か月時点で難癖付けていた「放置されてきた銘柄にも光が高確率で光が当たる」ってなんやねん要素が的中した形です。

一方で東洋精糖の40%ほどの下落は厳しく5月の決算発表の25年3月期の予想は前期比54.3%減としたことで以降ダウントレンドが続いている状態となっています。文中には「中小型株は、これまでの上昇相場から大きく出遅れていることもあり、大幅な下落リスクは小さく」とあるだけに残念ですが本格的な分散投資をしている人だと9銘柄の中の一つの下落なら許容範囲と見る人もいるんでしょうか?

石井鐵工所を外した場合だと94%ほどに下ぶれますし、さらに東洋精糖をはずしても99%程度で配当目的の安定企業の長期保有がテーマなら理解はしますがこの記事にはそんなことは触れてませんし中小株は暴騰期待のギャンブル色強めなものだとは思うので結局はやはり私の頭ではこの記事のテーマが何メインなのかよくわからないので追跡はやめようと思います。

記事作成:2024年7月22日/10月14日更新