有識者の投資見通しまとめ

田代昌之氏:トウシル記事内の金利低下で上昇が期待できるハイテク日本株5選を振返り

記事は24年6月18日の公開で米国の長期金利低下で追い風になるハイテク株(グロース株)を紹介する体で定義は「PBRが高い」で「時価総額3,000億円以下」「2期以上、営業利益、経常利益、純利益の全てで10%以上」「昨年末比較で15%以上株価が下落」を条件に選出したものです。
記事リンク:https://media.rakuten-sec.net/articles/-/45563

1~3か月後の値動きの状況

銘柄 初回 1か月後 2か月後 3か月後
プラスアルファ・コンサルティング 1885 2045 1628 2173
ビジョナル 7050 7990 8300 8300
メドレー 3620 4400 2995 3085
カバー 1763 2079 1618 1821
弁護士ドットコム 3145 3930 3185 3025

該当期間は8月の大幅下落があったわけですがビジョナル(17%up)・プラスアルファ・コンサルティング(15%up)は初回よりも上回り日経平均よりも強い上昇を見せています。カバーも持ち直して回復できていますがメドレーと弁護士ドットコムは戻り切れずにメドレーは初回からは-15%、大幅下落以降からもそれほど回復ができていません。

まさに計測し始めた6月の横ばいから7月から伸び始めてちょうど最初計測ポイントの7月18日前後がこの3カ月間のピークで初回からは20%以上あげていてネットの記事などでは和解金や医療機関の人材不足を要因とした好感が目につく材料として挙げられていました。以降の続落はお題である本元の米国ハイテク株の軟調の影響を受けてという見方がされています。NTTとのオンライン薬局の共同買収も反応薄という記事も見られました。グロース株の紹介ですから短期判断者は20%上げた時にもう去って、より下げた今のほうが長期保有を検討する人には魅力に感じる人はいるかもしれませんね。

5銘柄の中で一番上がっているビジョナルはビズリーチが一般的にはなじみのある響きでしょうが9月上旬をピークに9月後半以降、今のところ下げた動きを見せていますが9月自体がデータ的にはあまりよくない月のこともあるのでどうなっていくかというところです。そもそも記事では安過ぎとの見方も踏まえた紹介なので下げた前提がテクニカル的なものかファンダメンタルズのほうが優勢なのかどうなんでしょうね。チャート的にはプラスアルファ・コンサルティングのほうがまだ右肩上がりは続いている形です。

カバーは1年足で見るとまだ下落基調ですが6か月足では5日線が75日線を上抜けている状態です。弁護士ドットコムは最近の安値の5月の値を8月の暴落で超えることはありませんでしたし5月の安値もその前の安値ポイント23年の3月を下回ることもない状態なので底値が堅いと見るか上値が重いと見るかという感じなんでしょうか。

半年後の値動きの状況

まず初回と半年後の値動きの変化です。

銘柄 初回 半年後 比率
プラスアルファ・コンサルティング 1885 1869 99.15%
ビジョナル 7050 8333 118.20%
メドレー 3620 3895 107.60%
カバー 1763 2622 148.72%
弁護士ドットコム 3145 2580 82.03%

全て同額買い付けた場合だと30%ほどの利益となっています。最も伸びたカバーは8月の暴落以降はしばらく低調で11月以降に反発した形です。決算でアナリストの予想も上回る結果といった見出しも見かけます。12月の初めにはVチューバーの卒業などを絡めた下落に関する見出しも見かけますがその後はまた戻り、再度落ちたりと現在は短期的にはもみ合っているという状況です。雑音が入りやすい業種ではありますが運営も株価の目標をあげていたりと勢いはまだ止まっていないと見てもいいのかもしれませんね。その勢いの時間軸がどんな具合がわからないので私は結局手を出すことはないのですが。

20%近い下落をしている弁護士ドットコムは3カ月経過時では「底値が硬いとみるか」なんて言ってますが長期で見ると23年の9月からのダウントレンドが継続している形です。6か月足しか見てなかったんですかね…。記事では「25年の3月期も増益増収見通し」やサービス内容に好感を示している構成です。最近の見出しを見ても特段悪い言葉は見当たらず「アナリスト予想は強気変わらず」なんて見出しもありましたし「13自治体で提供サービス導入決定」とかの見出しがあっても実際の値動きはその見出しが出た時だけでプラス材料としては長続きせず下落が続いているといった状況で初心者にはなかなか首をかしげる動きに感じています。

利益的には悪くないビジョナルも区切り時点では悪くないというだけでこれを書いている時点の1月はじめではさらに下げていて長期的にはまた留まってあげていくのか下げが継続されてしまうのか分水嶺にいるような印象です。記事では「下落は過剰な動き」と見ているわけですが12月の決算時でもマイナスインパクトとしてとらえられた企業の中に入っているなど大勢はまだ評価をするような状況とはなっていません。同業種のプラスアルファ・コンサルティングは微減となっていますが11月の決算までは11月の決算までは良かったのですがそのあと急落してしまいした。決算内容も別に悪くはなかったので投機的なポジションが多かったのでしょうか。

三か月時点では回復ができていなかったメドレーは無事回復を果たしました。前回のときは就職支援金の規制などの話題も足かせになっていて下げていましたが11月の決算では増益となっています。その後書いている時点では調整なのかまた下げている動きですが今のところ24年の6月~9月のあたりが底値感が強くその付近になったらまた魅力に思う人も出てきそうですが医療業の人材不足や薬の在庫不足などより根本的な問題に問う対処できるのかイメージができないので個人的には手を出すことはなさそうです。

次回の更新は25年9月ごろを予定しています。

記事作成:2024年9月25日/2025年1月8日更新